NHKスペシャル 激流中国 富人と農民工

録画しておいたものを見た。農民工(農村からの出稼ぎ労働者)の生活のあまりのひどさに泣いてしまった。日本でも格差問題は大きな注目を集めているが中国の格差問題は桁が違う。共産党が支配していながら社会主義ではないという状況が、貧富の差を固定化している。社会保障が小さいという点は貧富の差を拡大させている。病気になったたけで人生設計が大きく狂ってしまう。手術を受けるのに何年分もの年収に相当するお金がかかる。
人口が多すぎることが中国の強みでもあり、弱みでもあるが、中国国内の貧富の格差はグローバル経済の縮図のように見える。人口が多いが故に労働コストが抑えられ、資本収益率が向上する。資本を持っている者はますます豊かになるという構図だ。もちろん特別なスキルを持ってさえいれば、資本も容易に手に入れることができるかもしれない(容易に手に入れることができるかどうかは金融市場の発展度合いにも依存すると思うが)。しかし特別なスキルを身につけるには教育が必要だし、教育を受けるにはやはりお金がかかる。政府が教育へのアクセスをある程度は保障しないと、貧しい状態から抜け出すことはできないのではないか。

子供の学費を稼ぐために、親たちは子供を故郷において出稼ぎにゆく。紹介されていた小学校では親が出稼ぎに行ってしまうので寄宿舎で子供が生活していた。子供達も親たちの必死な努力を感じているだけに、なんとか親の期待に応えて出世しようとがんばっているようだ。

農民工の不満がいつ爆発するのか?共産党にとっては大きな問題だろう。