階層が固定化しつつあるアメリカ

Meritocracy in America : Ever higher society, ever harder to ascend (TheEconomist)
2004年12月というすこし古い記事。実力社会だと自ら認めるアメリカは旧大陸と同じように、またはそれ以上に固定化した社会になりつつあるとの内容。所得格差が子どもの将来にも影響を与え、貧しい家族に生まれた子供が金持ちになることがますます難しくなっているという。以前にも米国社会での階層の固定化は見られたが、進歩的な政治家や金持ちによる慈善活動でだいぶ改善された。しかし現在は社会において階層が固定化しているという事実が見逃されている。というのも金持ちの家族に生まれた子どもは生まれたときから競争に次ぐ競争に晒されているので、自分が上流階級で安泰に過ごしているという自覚がないためだ。それどころか、税制や教育制度はますます格差を固定化しようとする方向に進んでいる。相続税の緩和は金持ちを優遇するし、教育制度では金持ちがすむ学校が優遇を受け、大学でも金持ちになった卒業生の子どもが入学しやすくなっている。