昨日に引き続きMarketocracyについて

考えれば考えるほど、面白い試みだと思う。資産運用会社における問題点として集団思考の罠があると思うのだが、同社の方法ではかなりこの罠を避けることが可能になる。同じ会社で、同じような学校を卒業した社員が、同じオフィスで働き、同じようなレポートを読み、同じような新聞を読んでいるとどうしても同じような考えに染まってしまうのではないかと思う。場合によっては上司の考えに賛同しなくてはならないという漠然とした「空気」があるだろう。そのような状況では無難な選択肢を採用することが多くなるのではないか。
Marketocracyを成功させるのは、どれだけ幅の広い、多様な価値観を有する投資家を集めることだと思う。特に成績上位者だからといって賞金が出るわけでもないみたいだ。それなのにかなり頭を使う、株式の銘柄選択という作業を行うのか。オープンソース・ソフトウェアの開発に参加するエンジニアと同じような心理が働いているのか。
「空気の研究」という山本七平の本を思い出した。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

サンヘドリンが載っていたのはこの本だったかな。サンヘドリンはユダヤ人の議会みたいなもの。全会一致の決議は無効という規則があるそうだ。ただイエスの処刑の際には、全会一致にも関わらず、無効にならず実行されたのだが。なぜこのような規則を設けたのか、ユダヤ人の考えることは興味深い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/サンヘドリン