20050425

以下の記事を読んだ。
・デルは手元流動性の増加という問題を抱えている。流動性の多くを低金利の債券で運用しているためにROAを低下させているのだ。昔は従業員に付与したストックオプションによる希薄化を防ぐために、自社株買戻しを進めていたが、最近はオプションの付与も少なくなったために買戻しも大して行なう必要性がなくなってきた。そこで同社はリース事業への投資を進めている。同社はCIT Groupとの合弁でリース会社を運営している。今まではCIT Groupが資金を提供し、Dellは顧客の紹介料を受け取る立場に過ぎなかったが、最近では資金提供も増加させているのだ。リース事業を強化するのは、低下する同社の利益率を押し上げる効果も期待できる。またIBMやHPと同じように、リースを使って顧客を獲得することもできる。ただ完全にCIT Groupとの縁を切るつもりはないようだ。完全に子会社化してしまうと、売上が減少するという結果になる。売上を一括計上することが出来ず、リース期間を通じて按分して計上する必要が出てくるためだ。


・韓国の鉄鋼メーカーであるPoscoに注目するアナリスト。同社は世界市場で第5位の製鉄企業である。同社の収益性は高く評価されており、調査会社によると業界最高水準と見られている。ただ同社のPERは極めて低い。4倍以下となっている。競合他社が10倍近い水準であることを鑑みると割安だとアナリストは指摘している。同社の株価は最近、鉄鋼価格の軟化を受けて下落している。同社に強気なアナリストは、同社の最新鋭の工場を評価している。この工場では製造工程を一部省略することができるためにコスト削減を実現することができる。反対に弱気筋は、原材料価格の高騰により利益率が低下することを懸念している。


自費出版を手がける出版社が成長を見せている。従来の自費出版とは異なり、テクノロジーを利用して低コストで出版を可能にしているのだ。プリント・オン・デマンド方式により、在庫を持たずに出版を行なうことができる。自己満足のためだけに出版するという従来のイメージを覆して、大手出版社からでも出版が可能なクオリティの書籍も発行されている。Amazonもこの分野には関心を見せている。既存の出版社に断られた作家が、再起を期して自費出版にかけるというケースもある。