20050324

TH55で以下の記事を読んだ。
・先進国からのアウトソーシングで高成長を遂げているインド。インド経済の躍進の背景にはGEの存在が大きい。GEのWelch会長が、80年代後半にインドに営業活動した際に、逆にインド政府からソフトウェアの営業を受けたことがきっかけとなった。この出来事を契機に、GEは積極的にインドで事業展開するようになった。インド企業に対して、GEの効率経営・コスト削減といった手法を導入したことが、現在のインド経済の競争力に結びついている。ただGE自体は、アウトソーシングで米国の雇用を海外に流出させているとの批判を避けるために、積極的にはインド経済における自社の貢献を主張していない。


・米国ではあまりなじみのない証券として、利益参加証券(income-participating securities)というものがある。これは株式と債券が一体化したものであり、カナダでは多くの銘柄が上場している。これらの証券が魅力的なのは、高い利回りである。10%以上の利回りの銘柄も多いのだ。これらの証券はREITMLPに似ているものの、毎月、事業から得られるキャッシュフローを投資家に分配するという点が異なっている。投資家が受け取るキャッシュフローは、配当とクーポンという二つの側面を有している。カナダには米国のようなジャンク債市場が存在しないために、このような利益参加証券が代わりとなっているのだ。米国では人気がないのは、税制上の問題と、利回りが高いことはリスクが高いという認識が広まっているためだ。そのため米国企業でありながら、カナダで上場する企業も多く出ている。


・いったん落ち着いたかのように見えた原油価格が再び上昇している。これはおもちゃメーカーに大きな打撃を与える可能性がある。既にMattelやMega Bloks、Playmatesの株価は下落している。おもちゃ業界では、注文から納品までに1年近くかかり、メーカーの納入価格は受注時点で確定する。そのため長期間原材料価格の変動リスクにさらされるのだ。特におもちゃはプラスチックの利用比率が高く、原油価格上昇の影響が大きい。今回の原油価格再上昇はおもちゃ業界には間の悪いタイミングとなった。ちょうど今年の商談シーズンが終了した後に発生したためだ。商談のピークである1月には原油価格も落ち着いており、峠を越したとの認識が広まっていた。顧客である大手小売店(Wal-Martなど)と価格の再交渉を行なうのは競争環境を考えるとかなり難しい。非公開であるがLegoの商品はほとんどプラスチックでできているために業績への影響は大きいものと思われる。


投資信託の顧客情報がSECのサイト上で公開されていることが判明し、関係する運用会社や証券会社は対応に追われている。SECの規則で投資信託の残高の 5%以上を保有する場合は、保有者を開示しなくてはならない。規則では求められていないのだが、顧客の証券会社の口座番号まで開示している運用会社がいくつか存在している。投資信託は多くのクラスが存在するために、大した金額を保有していなくてもそのクラスにおける大量保有者(5%以上)に該当してしまう個人投資家が出ている。運用会社は口座番号や名前・住所程度の情報では資金を騙し取られる可能性は低いとしているが、セキュリティの専門家は、これだけの情報があればサポートデスクのスタッフをだますことができると見ている。運用会社がこのような情報を開示してしまったのは単なるミスで、今後は同様なことがないように対策を採るという。しかし過去に公表してしまったデータはサイト上で誰でも見ることができる。影響を受ける顧客を特定するために、運用会社は膨大な書類をしらみつぶしに調べる必要性がある。


米国では投資信託まで大量保有者の開示が求められているとは。はじめてしった。数万ドル程度の保有でも大量保有者になってしまうのだという。
今日はなぜか、Heard on the Streetのコラムが二つ掲載されていた。多分いずれかはHeard in Asiaではないかと思うのだが。