バークシャー・ハザウェイの年次報告書をめぐる騒動。

バフェット(Buffett)が率いるBerkshire Hathawayの年次報告書に掲載される「株主への手紙」は金融業界では極めて有名な存在である。この内容が様々な議論を巻き起こしたり、市場を動かすことも良くあるためだ。過去の例では、デリバティブ大量破壊兵器になぞらえて批判しており、グリーンスパンの反論を引き出している。また90年代初頭には既にCEO達の強欲さを批判し、90年代後半にはストックオプションを報酬として提供する流れにも批判している。今年の「手紙」は同社のウェブサイトにて土曜日の朝9時に公開されることになっている。手紙の内容は同氏が筆記したものを秘書がタイプし、それを推敲するという流れで作成される。同氏は「手紙」の内容はコカコーラの製造法と同じぐらい大事に扱っているという。Buffettの「手紙」読みたさに、妻との旅行を延期してしまう人もいる。延期の理由が、パソコンに座ってオマハに住む男(Buffettのこと)からの手紙を読むためと説明しても妻は理解してくれないと話している。「手紙」を心待ちにしているのは投資家だけではなく、同社の経営陣も含まれる。「手紙」の中で部門ごとの業績評価がなされるためだ。「手紙」がサイトに掲載されるとアクセス数は急上昇するという。ハイテク嫌いのBuffettもアクセス数は気にしているようだ。
The Annual Frenzy Over Buffett
(WSJ)(2004/03/05)

昨年の記事だが、トラックバックでバフェットなサイトとして紹介されたので過去のメモから取り出してみた。今年も3月初頭には大騒ぎになるのだろう。以前読んだ記事では、自分の遺書もすでに執筆しているという。後継者はこの遺書の中で明らかにされることになっており、後継者本人にも結果は知らせていないという。ただ前文だけは明らかにしており、それは「昨日私は死亡しました。これは明らかに私には悪いニュースですが、株主の皆さんには必ずしもそうではありません。すばらしい後継者がいるためです。」というものらしい。いかにもバフェットらしいユーモアが感じられる。
株主への手紙は以下のURLで読むことができる。PDFのみでhtmlが提供されていないのが残念だ。PDFだとCLIEで読みにくいのだ。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/letters.html
この本が年次報告書における手紙をまとめたもののようだ。英文で読むよりもこれを読んだほうがいいかもしれない。

バフェットからの手紙 ? 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブル

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先日購入した、ローウェンスタインによるバフェット伝記を引き続き読んだ。他人と異なる投資手法を取る際に必要となる勇気が一番大事なんだと感じた。