補聴器の販売規制への反発

補聴器の販売方法をめぐって議論が沸き起こっている。昔、悪質業者が補聴器を売りつけていたために、専門家による処方がないと補聴器を手に入れることができなくなっている。そのため外国の10倍近くの価格になっており、数千ドルもする。高齢者には聴力が衰える人が多いが、高価なために購入する向きは少ない。聴力低下をそのままにしておくとうつ病などの他の病気を引き起こすと考えられている。そのような状況の中で、ある企業が補聴器を店頭で販売するためにFDAに申請を行った。しかし専門家は自分達の職がなくなることを恐れて抗議行動を起こし、申請を阻止させることに成功している。専門家・FDAの言い分としては、聴力低下は他の病気の症状とも考えられ、専門家による診察を行わないと、本来の病気の発見が手遅れになってしまうというというもの。しかしこの論理には一貫性を欠いていると批判されている。例えば視力低下も他の病気の症状であるかもしれないのだから、この論理でいくとめがねを購入する際も専門家の処方が必要なのではないのかとの疑問が出ている。また他の症状の表れだとしてもそれは全体の1割程度に過ぎないと見られている。店頭にはスポーツ用として様々な聴力支援の機械が売られている。ハンターが利用するものなのである。銃声は鎮める一方で動物の声は拡大するという機器がスポーツ用品店で販売されている。このような機器は聴力低下の症状にも利用することができるために、両者の区別はあいまいになっていると規制に反対する側は指摘している。