韓国のクレジットカード危機

韓国ではクレジットカードの債務が急激に増加し、債務返済が苦しくなった消費者の債務不履行によりクレジットカード会社の経営危機が発生している。韓国ではアジア金融危機を受けて国内消費を活性化させるために、政府主導でクレジットカードの普及を後押ししたが、この後遺症は予想以上に大きなものとなった。また銀行も従来財閥を中心に資金を貸し付けていたが、新たな成長市場としてクレジットカードに参入し競争が激化することになり、ろくな信用調査も行わずに消費者に貸し込むことになった。韓国の消費者債務の増大は、韓国だけではなく、アジア諸国でも多く見られる現象となっている。債務増大により韓国国内の消費は低迷している。現在のところ輸出が好調なために経済成長率も高いが、輸出依存の経済成長には懸念もある。また韓国では家族の絆が強く、家族の一員の債務を家族全体で返済する傾向があり、債務削減に伴う消費低迷は大規模なものとなっている。また借金苦で自殺や心中を行う事件も増加しており、特に珍しいものでもなくなっている。