成長鈍化の壁

Economics focus: BRIC wall | The Economist
発展途上国が先進国に追いつくのは比較的容易だ。しかし遅かれ早かれ追いつく過程において壁にぶち当たり、それを機に成長率は鈍化する場合が多い。研究によるとこれは購買力平価で見た1人当たりGDPが16,740ドル付近で発生するようだ。この壁に当たると成長率は鈍化する。ただ一度鈍化しても再び成長が加速する場合もあるようだ。中国は現在の成長率を考慮すると2015年にもこの壁に直面することになる。ただ中国のような巨大な国に過去の他国の事例が当てはまるかどうかは議論があるところだ。ただ、他国の事例を見る限り、適切な経済政策(貿易自由化や過小評価された為替レートの修正、消費の引き上げなど)は壁に直面するのを遅らせる効果があり、中国政府は景気がよいうちにこれらの政策を進めておくことが良いのではないかとの指摘。
成長率の壁に直撃すると、金融危機を誘発しやすいとの指摘もある。マイナス成長に落ち込まなくても、鈍化するだけで、高い成長率を前提にした債務返済の計画が狂ってしまうためだ。金融危機が景気鈍化を引き起こす面もあるが、このように逆のパターンもあり、鶏が先か、卵が先かという問題のような気がする。