アフリカ大陸の映画業界

Nollywood : Lights, camera, Africa (The Economist)
The Economistの最新号はクリスマス特別号ということで、例年の通り長文の特集記事が数多く掲載されている。まだ半分も読んだわけではないが、今のところ一番面白いのがこの記事だった。
初耳だが、アフリカ映画業界のメッカがナイジェリアのラゴスだそうだ。インドに続き、映画の制作本数は世界第2位を誇る。アフリカ各地でナイジェリア映画は人気を集めているのだが、必ずしも好意的な評価ばかりでもない。他のアフリカ諸国にとっては、ナイジェリアによる文化侵略と反発する声もある。ただ作品を楽しむアフリカ人にとっては、欧米ではなくアフリカ大陸で制作されていると言う点が自尊心をくすぐられるようだ。
ラゴスには皮肉なことに、映画館はほとんどない。そのため1枚1ドル程度で販売するDVDで商売しているのだが、海賊版の横行で新作がリリースされてもせいぜい2週間程度しかまともに正規版を販売できる期間がない。そのため必然的に多くの作品をリリースせざるを得ない。DVDを露天で販売している商人がみずから映画制作を行っているという構造になっている。
なぜ、ナイジェリアで映画制作が盛んになったのか、意外なエピソードが紹介されている。あるビジネスマンが大量にVHSテープを輸入したものの、販売先が見つからなかったので、映画を制作させてそれをVHSテープに収録して売りさばいたらしい。