自壊する帝国 / 佐藤優

自壊する帝国 (新潮文庫)

自壊する帝国 (新潮文庫)

正月休みを挟んで読んでいたがようやく読了。「国家の罠」があまりにもおもしろかったので、もうこれ以上の作品は無理かもしれないと思ったが、こちらも相当なものだ。著者が関わった政治家や知識人の生き方に惹かれる。自分の信念を曲げずに貫く者、信念よりも家族の生活を優先する者、ソ連崩壊という運命に巻き込まれた多くの人が非常に魅力的に描かれている。
神学というほとんど実用性をもたないような学問が激動するソ連では非常に役に立ったというのが興味深い。もし別の国に赴任していればまったく別の展開になったかもしれないなとも思った。次回はプルブリスの物語を書くと書いてあったが楽しみである。