ビジネスに対する擁護論

Schumpeter : The silence of Mammon (The Economist)
The Economistらしい記事。ビジネスに対する反感というか、反資本主義的なムードが蔓延している中、ビジネスを擁護する主張を展開している。ビジネスでは競争という側面が強調されやすいが、実際には多くの人の協力が欠かせない。グローバル化するビジネスとは国境を越えた多くの人が同じ目的に向かって協力・信頼しあうこととも言える。また大企業が市場を独占するというイメージも多くの人が持っているが、実際には企業の地位は不安定なものであり、今までも多くの企業が栄光の座から転落してきた。お互いが牽制しあう関係にあるので独占が生じにくいとも言える。また企業が政府の権力を牽制するという側面も見逃せない。サッチャーレーガンが80年代以降、ビジネスに対して友好的な環境を整えてきたが、それと歩調を合わせて民主主義も広がっている。企業経営者はこのようなビジネスの好ましい側面を主張しようとはしないが、黙っていると反ビジネスはムードが一層強まり、政府介入がさらに強化される懸念もある。