イラク人と携帯電話

Iraq's mobile-phone revolution : Better than freedom? (The Economist)
米国がイラクにやってきて、イラク人が一番喜んだことは、自由でも民主主義でもなく、携帯電話を自由に使えることだったという。フセインのころは携帯電話は使えなかった。しかし米国による占領下では携帯電話が急速に普及しており、生活必需品となった。内戦下で自由に外出できない状況の下では、携帯電話がライフラインに相当する地位を占めているというのも理解できる。ただし、サービスの品質は悪い。政府は本来なら油田開発で収入を増やすべきなのだろうが、手っ取り早く携帯電話の免許を交付することで収入を増やそうとしている。また携帯電話の度数(クレジット)が一種の通貨代わりになっている。このあたりはこの前のスペシャルレポート(新興国の携帯電話市場)で取り上げられたのと同じような話である。おもしろいのが身代金の支払いや役人への賄賂も、携帯電話経由で行われるという点だ。