正直なサービスとは

American courts ponder “honest service” : Are you being served? (The Economist)
巨額の詐欺事件で100年以上の実刑判決を受けたマードフが登場するまでは、塀の中の元経営者達の中でもっとも有名だったのがエンロンのスキリングとブラック(脱税で有罪になった新聞社の経営者)の二人だ。両方とも受刑中だが再審の道が開けたという。争点になっているのが、honest serviceというものだ。雇用者は被雇用者からhonest service(職務忠実義務みたいなものだろうか?)を受ける権利があり、その権利を奪うのは違法となる。二人ともこの罪状で有罪判決を受けている。しかしこのhonest serviceは定義が明確ではなく、実際に裁判になってみないと何を示すのかはっきりしない。最近は拡大解釈も行われており、そんな罪状で有罪判決を受けるのは問題だと最高裁も考えているようだ。スキリングの弁護士は、honest serviceに反するのは、雇用者の利益を損ねてでも自分の利益を優先させたような場合に限定されるべきと主張している。スキリングは政府の調査でも、自分自身の利益を追求したのではなく、会社のために粉飾決算などを行ったと判断されており、この弁護士の主張が認められると有利な判決を得られるかもしれない。特に、昨年の金融危機で多くのウォール街の金融機関が様々な問題を引き起こしたことを鑑みると、もし現在裁判が行われたら、スキリングも無罪放免になる可能性もあるという。