遺産相続に見る英国と欧州大陸の考え方の違い

Charlemagne : Where there's a will there's a row (The Economist)
The Economistにあるコラムの中でもCharlemagneはなかなか興味深い視点のものが多い。今回もそのような記事だ。ウォーレン・バフェットは遺言で遺産のほとんどを寄付に回し、自分の子どもにはたいした額を渡さないことにしているのだが、欧州大陸ではこのような遺言は違法だという。日本でもたぶんダメじゃないかという気がするが。。しかし英国では問題はないらしい。遺産相続をどのように考えるか、英米と欧州大陸の間では大きな相違があるようで、現在EU内部で遺産相続に関する法律を統合する動きが進行しているが、英国の存在はこの動きを頓挫させてしまう可能性もある。欧州大陸では、遺産相続を受けるのは人権の一種として認識されており、個人の判断で勝手に取り上げることができないものと見なされているのに対し、英国ではどのような遺言をするのかは個人の自由という考え方があるようだ。この考え方の違いは、単に遺産相続にとどまらない。労働法制や市場メカニズムに対する考え方の違いにも通じている。