予防接種の新しいやり方

Better vaccinations : Hypodermic needless (The Economist)
意外な話だが、痛い割には皮下注射による予防接種は効果が高いとは言えないようだ。肺とか皮膚にワクチンを届ける必要があるのだが、皮下注射では筋肉に届いてしまうためだ。しかもワクチンは常に冷やしておかないといけないので流通する上でも困難が生じる。そこで効果的にワクチンを投与するにはどうすれば良いのか、新しい試みが二つ登場している。一つはワクチンを霧状にして口から吸い込み、肺に投与するという方法だ。もう一つは小さな針が多数つけられたパッチを皮膚に貼り付け、ワクチンを皮膚に投与するという方法である。興味深いのは後者で、医師がいなくても一人で皮膚に貼り付けることができるので、感染症が蔓延したときには、病院まででかけて予防接種を受ける代わりに、郵便でパッチを送ってもらい自宅で予防接種を受けることができる。この二つの試みとも現時点では人間を対象にした臨床実験は行われていないので、導入までには時間がかかる。