The Economistのテキサス特集

A special report on Texas : Lone Star rising (The Economist)
なかなか興味深い記事だった。テキサスと聞くと、ブッシュの本拠地で死刑執行が全米で突出して多いといったことからあまり良いイメージは持たなかったが、この特集を読んでだいぶ印象は変わった。記事の中ではテキサスは米国の将来を先取りしているという。過剰規制・高率の税金のカリフォルニアが混乱している一方で、緩やかな規制と低率の税金(所得税がない)のテキサスが高成長を謳歌しているというのが対照的だ。しかし税金が安いと言うことは、州政府の規模も小さいことを意味し、住民サービス(医療や教育)が手薄であることを示している。保守もリベラルも、テキサスの最大の問題は教育であると口をそろえて言っている。ただその教育をどのようにてこ入れするか、この対策に関しては保守とリベラルとで大きく意見が分かれる訳だが。
テキサスの政治風土は保守であり、共和党の地盤なのだが、徐々に民主党の影響力も増している。ヒスパニックの人口が急増し、加えてヒスパニック間での投票率も増加しているためだ。しかし民主党が支配的になっても、テキサスは大して変わらないともいえる。テキサスにおける民主党は銃規制には慎重だし、死刑執行には積極的なのだ。
もともとテキサスはメキシコだっただけに、メキシコに対する思い入れは強い。移民に対しても好意的だ。そのため対テロを口実に国境規制を強める連邦政府の動きには反発しているという。