大統領に過大な期待を持ってしまいがちなアメリカ人

Lexington : The Obama cult (The Economist)
残念ながら最新号のThe Economistではlexingtonは休載(夏休みか?)。先週号のlexingtonも非常に興味深い内容だった。昨年の今頃はオバマが大統領になれば、地球温暖化は防止できるし、世界平和も実現でき、もちろん景気も良くなるといった過大な期待が寄せられていた。どう考えてもそんな期待が実現される訳はないのだけど、そんなムードが出てしまうのは、オバマの持つカリスマ的な魅力のためだろうと思っていたが、この記事を読むと必ずしもそうではないことがわかる。大統領に過大な期待を寄せてしまうのは今に始まった話ではないのだ。アメリカ人の気質ともいえるようだ。アメリカ経済の巨大さを考えたら、大統領が景気に対して与える影響もたいしたことはないのだけど、景気変動は自分の手の及ぶところではないと大統領が主張することも有権者は認めてくれない。ブッシュ大統領がハリケーンカトリーナの災害対策に迅速に対応できなかったという批判も本来は的外れ(災害対策は自治体の仕事)なのだが、大統領に対する期待の高さの故、説得力を持ってしまう。危険なことに、大統領への期待の高さが、政府組織・政府権力の増大につながっていく傾向もある。