抗生物質と反グローバリゼーションの奇妙な関係

Charlemagne : Of antibiotics and globalisation (The Economist)
欧州では景気後退を受けて、自由貿易から保護主義への転換を求める声も大きくなってきた。またグローバリゼーションを問題視する人も増えている。しかし必ずしもEU全域で同じような意見を持っている訳ではないようだ。不思議なことだが、抗生物質の処方量と保護主義を求める声にはかなり相関関係があるように見える。社会保障制度や入手しやすさという面が国毎に異なっているので一概に言えないものの、抗生物質の処方量が多い国ほど保護主義を求める傾向がある。いくら政治家が保護主義を進めても経済にはプラスにはならないと力説していてもだ。おおむねEUの南の国で抗生物質の処方量が多く、北の国で少ない。理性とか知性または権威に対する軽蔑とか不信感というのも、いくら保護主義抗生物質が経済や病気(特にウイルス性の)にプラスにならないと主張しても受け入れてくれないという現象の背景にありそうだ。ちなみにアメリカも抗生物質の処方量がかなり多く、保護主義を求める声も大きくなってきた国でもある。