デンマークのモーゲージ市場

Fixing finance : A slice of Danish (The Economist)
久しぶりにThe Economistを読む。最新号はなぜか12月31日(日本時間)にアップロードされていた。ただしprint版が当方に配達されてきたのは昨日の夕方だった。えらく遅い。

デンマークモーゲージ市場はなかなかユニークだ。債務者が自ら市場でモーゲージ債を買い取り、債務返済に充当できるというのが面白い。具体的にはどのような仕組みになっているのかよく分からないが、米国のように様々なモーゲージがプールされたり、CMOCDOになっていると債務者は自分の債務だけを取り出して買い取ることは不可能だから、債務者毎に債券が発行されているのかもしれない。米国のモーゲージでも期限前返済ぐらいはできるが、現在のように不安心理が広がりモーゲージ債が大幅なディスカウントで取引されているチャンスを生かすことはできない。デンマークの債務者はそれができるというのがメリットとなっている。このような安定的な買い手が存在しているだけに、デンマークモーゲージ市場は金融危機の最中でも機能停止に陥ることもなく安定的に債券を発行できているようだ。投機を抑えるためにローンは物件価格の一定割合に抑えられている(頭金ゼロで住宅購入はできない)というのも特徴だ。このようなデンマークの仕組みを世界に広めようとしているのがジョージ・ソロスというのもこれまた面白い。