インド経済の足かせ

A special report on India : An elephant, not a tiger (The Economist)
なんとか読み終えた。長いレポートであるが、インド経済が今後も高成長を実現するためには何が問題かという点ではなかなか面白かった。中国と異なりインドは南アジアの中でも民主主義が根付いているという特徴があるが、この民主主義の弊害がインドを苦しめているように思える。政党の細分化によりトップダウンで政策を実現することが難しいのだ。州政府の力も強く、中央政府でも連立政権のためになかなか改革を迅速に進めることが出来ないという問題がある。インフラ整備、教育といったインド経済の潜在成長力を高めるのに欠かせない分野でも政治のリーダーシップ不足が大きな足かせとなっているようだ。ただし今後の展望に関しては決して悲観的ではないようだ。州同士が改革面で競争を進めることでインド全体の改革が進むという見方もあるし、最近のインド経済の発展がインド国民のプライドの源となっていることを考えると経済成長を鈍化させるような政策には拒否反応も出るかもしれない。記事の題名の通り、インドは俊敏なトラではなくゆったりとした歩みで進む象だと考えるべきなのだろうか。