自由の牢獄

自由の牢獄 (岩波現代文庫)

自由の牢獄 (岩波現代文庫)

とりあえず表題の短編のみ読んでみた。自由意志があると豪語する男が、111の扉で埋め尽くされた場所に閉じこめられてしまうという話。扉は全く同じであるが、扉の先にどんな運命があるのかは全く異なる。しかも一つの扉を開けるしかできない。一度開くと他の扉を開けることはできなくなる。こんな状況においていくら選択の自由があっても何も意味しないのではないかと訴えているような短編だ。そもそも選択の自由とは何か考えてしまう。選択肢は無数に用意されていても結果は事前にはわからない。ただし選択の結果に対しては責任を取らないといけない。これが幸せにつながるのかよく分からない。