できそこないの男たち / 福岡伸一

できそこないの男たち (光文社新書)

できそこないの男たち (光文社新書)

朝早くに病院に行く用事があり、しばらく待つことになったのでこの本を持って行った。先月購入したものの、まだ読んでいなかったのだ。「生物と無生物のあいだ」もそうだがこの著者の本は非常に読みやすい。科学者の営みというものがよく分かる。人間の基本形は女であり、SRY遺伝子の働きにより男に変化するといったことが書いてある。このSRY遺伝子はY染色体にあるので、X染色体しか持っていない女性には存在しない筈だが、自然のいたずらによりY染色体の一部がX染色体に潜り込んでしまうとXX染色体なのに男性になってしまうという。
男は病気にかかりやすいし、寿命も女性より短い。うちの赤ちゃんは男の子だが、女の子と比較して病気になりやすいので育てるのが大変ともよく聞く。なぜか。この本では免疫系の働きが女性よりも弱いからだと指摘している。男性ホルモンのテストステロンが免疫系の働きを弱めてしまうからだそうだ。