割れ窓理論は正しかった。

Criminology : Can the can (The Economist)
ジュリアーニニューヨーク市長だった頃、犯罪を減らすために熱心に取り組んだのが、落書きや器物破損などの小さな犯罪を徹底的に取り締まることだった。この政策の理論的バックボーンだったのが、「割れ窓理論」というものだ。違法行為を放置しておくと大きな犯罪が誘発されるという。しかしこの理論が本当に成り立つのか、今まで実地で検証はなされていなかった。最近になってようやくオランダの研究者が様々な条件の下で、人間は本当にこの理論通りの行動をするのか検証を行ったところ、理論通りの結果が出たという。たとえば落書きがある場所に、置いてあった自転車に張り紙をつけておいて、所有者はこの張り紙をどうするのか観察したところ、落書きがない場所と比較して張り紙をその辺に捨ててしまうことが多かったという。ゴミを捨てるという軽微な犯罪だけではなく、窃盗においても同じような傾向が見られたという。
違法行為を放置しておくだけで、違法行為を誘発してしまうというのも恐ろしい話だ。「影響力の武器」を思い出した。人は他人の行動を見て自らの行動の妥当性を判断するといったことが書いてあったと思う。社会的証明というやつだ。http://d.hatena.ne.jp/ichiyu/20051015/p2