株価にモメンタム効果がある理由

Buttonwood : The big mo (The Economist)
株価は勢いが付くとしばらく上昇し続けたり下落し続けたりする。投資家は非合理的な行動をすると考えればこのような行動にも説明が付く。企業業績の変化に気づくのに時間がかかると考えられるためだ。しかしある研究では、投資家は合理的に行動すると仮定してもモメンタム効果は説明できるという。投資家は直接自らが株式を購入するのではなく、ファンドマネージャーに委託するというのがこの議論のポイントだ。たとえば、ドットコムバブルの時には、グロース株のファンドマネージャーの運用成績が良く、反対にバリュー株ファンドマネージャーの運用成績が悪かった。そのため投資家はバリュー株ファンドマネージャーから資金を引き揚げ、グロース株ファンドマネージャーの運用成績に資金を預けるのだが、これが上昇しているグロース株をさらに上昇させ、下落しているバリュー株をさらに押し下げることになる。ここまでは個々の投資家は合理的な行動であり充分納得できるが、それ以降が問題になる。バリュー株が下落し続けることはなくいつかは底を打つ。バリュー株があまりにも安くなり魅力が出てくるためだ。ただ、その時点ではバリュー株ファンドマネージャーには投資資金がないので買うことができない。そうすると誰が買いに出てくるのか説明が付かないし、そもそもほんとうに投資家が合理的だったらインデックスファンドに投資すると考える方が自然だったりする。