一瞬だけど時価総額世界一になったフォルクスワーゲン

VW and hedge funds : Squeezing the accelerator (The Economist)
ポルシェは以前より、フォルクスワーゲン(VW)を買収したいと考えていた。株式もだいぶ買い増していたのだが、反対にヘッジファンドVWの業績が悪化することを見込んで現在の株価は割高だと考え空売りを行っていた。しかし日曜日にポルシェがデリバティブを含めて発行済み株式数の74%程度を取得したと発表し、空売りを行っていたヘッジファンドは衝撃を受けることになる。VWの株式のうち2割は州政府が保有しているので、浮動株は6%程度しか存在しないことになり、あわてて買い戻そうとするヘッジファンドの買いがVWの株価を急上昇させることになる。その結果一時的にVWエクソンを抜いて時価総額世界一に躍り出ることになった。どのヘッジファンドが損を出したのかは当事者は明らかにしないが、関係する投資銀行の株価も余波で下落している。ドイツの情報開示ルールでは、株式を直接取得した場合は開示する必要があるが、デリバティブを通じて取得する場合(コールオプションの買いなど)は対象外となっていることが今回の騒ぎの一因とも考えられる。