人はいかに学ぶか―日常的認知の世界

人はいかに学ぶか―日常的認知の世界 (中公新書)

人はいかに学ぶか―日常的認知の世界 (中公新書)

読了。非常にためになった。人は学ぶ生き物であるが、必要なことしか学ぶ動機はないし、学ばなくても周りの環境や人が提供する知識を利用することだってできる。人工的に作られた学校での学びとは大きく異なるのだ。学校では特に必要性を感じられない知識も詰め込む必要があるし、他人に聞くわけにもいかない(カンニングになってしまう)。学校という場所にどのように主体的に学ぶ人間という概念を持ち込むべきか。教師のあり方も変える必要があるという。マニュアルに依存した画一的な教え方から、生徒同士の議論や試行錯誤を取りこんだ教え方が求められると指摘する。

ユーザビリティに関する記述もあり納得させられた。ユーザビリティを高めるということはユーザーに出来る限り学習させないことでもある。すでに学習した知識を再利用させるとも言える。