Special Reportは韓国

THE KOREAS :The odd couple (The Economist)
2週連続でSpecial Repportが掲載されるのも珍しいような。今週は韓国がテーマだ。もちろん北朝鮮も含まれる。韓国の経済成長が鈍化していることを受けて、出生率の低下や将来予想される朝鮮半島の統一のためにも改革を一層推し進めて高い経済成長を達成することが必要だと主張している。経済成長の原動力が製造業の輸出に依存している点も問題視しており、規制緩和を通じてサービス業の生産性を引き上げることも肝要だと説く。
韓国は国際社会の地位を向上させたいと願っているものの、外交がアメリカ頼みではそれも難しく、朝鮮半島の統一が実現されるまでは現状のままだろうと見る。統一にしても北と南では経済格差が著しく(所得格差が身長の差にもつながっている)、東西ドイツ統一時どころではなく、韓国の経済力ではかなりの負担になることは必至。北朝鮮の体制が崩壊した場合には、混乱状態の中で米軍や中国軍などが北朝鮮に援助目的などで進出することが予想されるが、お互いの意図を図りかねて衝突する懸念もある。しかしこのような状況で各国がどのように行動するか、事前の計画は無いに等しい。
北朝鮮内部では、闇市場がかなりの規模に成長している。外国の情報もどんどん国内に流入しており、国民の体制に対する信頼は低下する一方。情報流入のきっかけがDVDプレーヤーの価格下落というのが面白い。韓国でDVDプレーヤーの普及が進んだ結果、いらなくなったビデオテーププレーヤーが大量に北朝鮮流入したらしい。もちろん一緒に韓流ドラマなどのコンテンツも一緒だ。体制は恐怖で人民を抑圧することも難しくなりつつある。