経営コンサルティング業界にも不況の影が

Management consulting : Giving advice in adversity (The Economist)
投資銀行の経営悪化は、経営コンサルタントにも打撃となる。投資銀行経営コンサルタントにとってお得意客だったからだ。マッキンゼーによると、投資銀行はこれから従業員のやる気を損なわずに多額のコスト削減を行う必要があり、その中にはコンサルティングに費やされるコストも含まれるらしい。自分で自分の首を絞めるような提言をするとは正直なのかそれとも間抜けなのかよく分からないが。投資銀行に限らず、プライベート・エクイティファンド(会社買収時にコンサルティングサービスを求める)も大口客だがこれも金融危機によりディールの数の削減を受けて、仕事が減少している。M&Aが減少しているのも、M&A時にコンサルティングサービスを提供することが多いだけにコンサルタントには打撃だ。経営コンサルタントという商売は景気変動とは無縁ではなく、現在は今までの契約で好調を維持しているが、来年にかけて業績の悪化が鮮明になってくると見られる。すでにコンサルティングファームの中には人員削減に乗り出したところもあるし、経営統合や新規分野の買収で乗り切ろうとする動きもある。アジアや中近東と言った成長力が高い市場への進出も必要になってくるだろう。ただ経営コンサルタントにとって一番大きな問題は、新しいアイデアの枯渇だ。今まではリエンジニアリングといったコンセプトでコンサルティングサービスを売り込んできたが、なかなか魅力的なアイデアが見つからない状況にある。