グローバリゼーション

GLOBALISATION : A bigger world (The Economist)
スペシャルレポートなので非常に長い文章だが読む価値はある。The Economistらしい論調だ。今まではグローバリゼーションと言えばアメリカ化を別の言葉で言い表した物にすぎなかったが、ようやく本当の意味でグローバル化が進んできたという。新興国の企業が急成長し、Fortune 500のリストにも多数登場するようになってきた。彼らの強みはもはや低コストの労働力ではなく、安い価格でしか販売できないという新興国市場で鍛えられたビジネスモデルやスキルにあると言える。もちろん先進国の企業も手をこまねいているのではなく、自らを変革して新興国企業に立ち向かうケースも増えている。先進国では新興国が急成長することで経済的に侵略されるのではないかという不安も大きい。しかし保護主義に走るのではなく、積極的に自由貿易を守ることで、世界全体の生活水準を引き上げることが可能になる。経済は決してゼロサムゲームではなく、貿易を通じてパイ自体を大きくすることができるのだ。
新興国企業が先進国市場に進出することは新興国にとっても大きな利点がある。新興国における汚職や腐敗を減らすことが期待できるのだ。汚職に厳しい先進国市場で勝ち抜くには高い倫理基準を社内に設ける必要があり、同一企業には同一基準しか定着させることができない以上、本国市場でも同じような高い倫理基準を適用せざるを得ないのだ。