インドIT企業

Face value : Ram drive (The Economist)
インドのIT企業御三家の一つである、タタ・コンサルタンシー・サービスのCEOの紹介。インドにおけるITアウトソーシングビジネスがどのように成長してきたかが分かる。外貨不足に苦しむ過去のインドにおいて、コンピューターを輸入するだけでも相当な苦労を強いられたようだ。輸入できても外貨を稼ぐという義務も科せられることになり、それが海外市場に目を向けさせるきっかけとなった。昔は高速ネット回線なんてものはないので、電話やFAXで顧客とやりとりしていたそうだが、コミュニケーションの不足による問題も大きかっただろうなと思う。イギリスからインドに仕事の仕様書を郵送する際には、途中で紛失しないように、異なる日に同じものを別々にポストに投函するという対策を行っていたというのがおもしろい。
豊かになった現在のタタでは、社員の間でも昔のような倹約精神(コンピュータを利用するには多額のコストがかかった)も薄らいでいるが、昔と今は違うと認識しており、昔は良かったとか原点に戻れとかそんな懐古精神はないみたいだ。それよりも新規分野のアイデアを若い社員から積極的に吸い出そうとしているのが印象的である。