世界中で金融リテラシーへの関心が高まる

Financial literacy : Getting it right on the money (The Economist)
金融リテラシーの低さが問題になっているのは発展途上国だけではなく先進国も同じだった。サブプライムモーゲージの問題も利用者側の金融リテラシーの低さが一つの要因になっている。米国を始めとする先進国でもなんとか金融リテラシーを引き上げようと様々な方策が導入されようとしている。しかし学校で生徒に金融リテラシーを教えるだけで良いのかという疑問もでている。行動経済学や行動ファイナンスの観点からは、人間は必ずしも合理的に行動する訳ではないと考えられ、この問題は金融リテラシーの教育だけで解消できるのか疑問視する声もある。この立場からは、リテラシーの向上も大事だがそれ以上に制度や商品設計をうまくデザインしてデフォルトで消費者にとって良い意志決定につながるようにすべきとの声が出ている。たとえば401K(任意加入)を例にすると、反対の意思表示をしない限りは原則として加入させ、ライフサイクルファンドのような商品に投資させるというやり方だ。このようなやり方を見ていると自己責任という考えもだいぶ揺らいでいるような気がする。何でも自由にやらせるのではなく、個人がアホなことをしないように国家がうまくガイドしてあげないといけないという考え方なのだろう。