NHKスペシャル「アメリカ・問われる“超”格差社会・大統領選挙・ハートランドの選択」

夕食を摂りながら妻と一緒に見る。ミズーリ州予備選挙を前に、立場の異なる数人の有権者がどのように支持する候補者を決めるのか取材している。みんな真剣に考えているなあと素直に感心してしまったが、取材されているためなのかもしれない。商売繁盛の投資コンサルタントの経営者と失業したIT会社の社員、立場が変われば考え方も変わる。成功したのは自分の努力や才能のおかげ、失敗したら社会のせいと考えるのは人間の思考に潜むバイアスなのだろう。
投票においてテロとの戦いを重視している人も多いみたいだが、テロで殺される人よりも射殺される人のほうが多そうな気がするのだが。目立つ事件のほうに不当に大きな注目が集まってしまう。

スーパーチューズデイというだけに、火曜日に投票するのだが、なぜ平日にやるのかよく分からない。11月の本選もたしか平日だったと思う。みんな仕事をすこし休んで投票するのだろうか。日本みたいに遠距離通勤している人が多い国だとなかなか会社をすこし離れて投票するのも難しそうだ。あと、不思議なのが、予備選がそれぞれの州において民主党共和党両方とも同じ日に行っている点だ。対立している筈の両党がなぜ予備選の実施日で合意できるのか。

The Economistの記事を読んでいると民主党共和党では予備選の進め方が違うようだ。民主党では得票数に応じて代議員を比例配分する。共和党は一番多くの得票した候補者がその州に割り当てられた代議員をすべて獲得する。来月行われるテキサスでの予備選ではさらに民主党の代議員の配分方法はややこしくなる。一定数は投票、残りは党員集会というハイブリッドな方法らしい。民主党では党員による投票で選出された代議員に加えて、党の有力者(大統領経験者や連邦議員など)はそれぞれ代議員一人分としてカウントされるので、党員によって選出された代議員数では負けていても、党有力者の支持(クリントン氏がリードしているらしい)を取り付けることができれば指名を獲得できてしまう。ただこうなってしまった場合には本選へのダメージも大きくなる可能性も高いが。
Texas : Hillary's last stand