カーライルによるウィルコム買収の舞台裏

U.S. Private-Equity Kings Negotiate a Maze in Japan (WSJ)(2007/11/23)
興味深い記事だ。日本では上昇基調にあるとはいえ、プライベート・エクイティファンドによる企業買収はまだまだ少ない。ハゲタカという悪いイメージもあるし、親会社も従業員に対する社会的責任を感じているので、子会社の売却には及び腰だ。そんな中、カーライルグループは2年かけてKDDIから、KDDIポケット(現在のウィルコム)買収の交渉を行った。従業員の削減は行わないことや、すぐに転売するのではなく長期的なコミットメントを行うことを説明したりと買収にはかなり苦労したようだ。またファンドには日本からの投資資金を多く入れることで、日本人にもリターンが提供できるようにしたという。一定料金を払うだけで無制限に通話することができるサービスを投入できたのも、KDDIという親会社から分離したためだ。しかしこのサービス導入に際しては、導入当初はキャッシュフローが悪化するために、カーライルグループ本体も難色を示したらしい。ただなんとか説得して実現できたという。