プロフェッショナル・仕事の流儀「背伸びが、人を育てる・校長・荒瀬克己」

夕食を取りながら妻と一緒に見る。非常に面白かった。京都の堀川高校という公立高校の校長の話だが、学校改革により大学合格者が急増しているという。高校は予備校ではないので単に大学合格者が増加しているだけならあまり興味も惹かれないが、面白いと思ったのがこの学校が設置している探求科という学科だ。生徒が自分の知りたいことを徹底的に研究するという授業だから、既存のカリキュラムを使い回しすることができず教員にとってもかなり過酷だ。当然、教員は生徒を導くというよりも、サポートする立場に回るしかない。しかし生徒にとっては大きな意識の変化を引き起こすようだ。知りたいことを研究するのだから、勉強させられているという意識が出てくるはずもない。加えて、特定の分野を研究すると必然的に他の分野にも目を向けないといけないので全体の学力の底上げにつながる。さらに、一層研究を深めたくて大学へ進学しようという気持ちも高まってくるという効果もある。やりたいことがあって、大学に進学したいと考える生徒と、何となく進学しようと考えている生徒では、受験勉強への態度も自ずと変わってくるだろう。
今回の番組を見て、この学校の生徒は大したものだなと感心することしきりだ。妻も同じだったみたいでなぜか泣いていた。