激走3550キロ・ツール・ド・フランス

今週末はNHK BSでは面白い番組が多かった。これもその一つ。私が大学生の頃には、衛星放送で毎日ツールのその日のレースの様子を紹介している番組があったが、現在では有料チャンネルでしかそのような番組はないようだ。そのためこのようなダイジェスト版をNHKが放送してくれて非常にうれしい。
ツールを見ていて一番面白いのが、個人成績を争うのに、チームによる全面的なバックアップが必要とされる点だ。個人競技であり団体競技でもあるという性格が微妙な駆け引きを生んでレースを面白くしていると思う。互いにライバル関係にある選手同士が交代で先頭に立ち、風よけになるというのは、協調関係を生み出すには敵意さえ問題にはならないという「つきあい方の科学」(ASIN:4623029239)を思い出させる。
最近はテレビでも放映されていなかったのだが、The Economistこの記事を読んで近年のツールはドーピングまみれになっていることは何となく知ってはいた。。今年もそうだ。総合成績トップの選手さえドーピング問題(完全なクロではないが、ウソの報告をしていた)で棄権する羽目になった。長丁場のレースをやるだけに、ドーピングへの誘惑も大きいのだろうか。
最後のステージ(パリへの凱旋レース)では、紳士協定により追い抜くことが禁止されているとは初めて知った。そのため総合優勝は前日のレースで事実上決まるということになる。