葬式に行く

妻の祖母が亡くなったので妻の実家である奈良まで出かけた。喪服も持っておらずあわてて購入するといった状態だったのでかなりあわただしかったが、なんとか開始時刻の2時に間に合った。
祖母は103歳という高齢だったので、死因は老衰だったらしい。かなり元気なおばあちゃんで、子供や孫に囲まれて暮らしており、幸せな老後だったのではないかと思う。妻は子供の頃に母を亡くしており、祖母は母のような存在でもあったようだ。
葬式は妻の実家(祖母も一緒に住んでいた)で行われた。喪主は妻の父になる。それほど大きな家ではないのだが、30名弱出席して行われた。実家で行うと言っても、葬儀屋の手を借りずに行うのは難しいので、葬儀屋がやってきて仕切っていた。葬儀屋が携帯電話で連絡を取り合うのだが、お経を上げている状態でも携帯電話を使うものだから、会話内容が筒抜けで聞こえてしまい葬式の雰囲気が損なわれる。もう少し参列者に聞こえないように配慮すべきだろうとお経を聞きながら思っていた。
葬式に出席するのは大学生の時以来なので、どのように進行するのかさえよく分かっていなかった。お経を上げて、出席者が焼香し(歩き回るスペースがないので回し焼香という形式だった)、その後またお経を上げて、出席者が棺桶にお花を入れていき最後の別れをするというものだった。所要時間は1時間程度。葬式当日で一番大事なイベントが火葬だ。斎場には最終受付時刻があるので、それに間に合うように葬式を終わらせて、遺体を輸送しないといけない。そのあたりを考慮して葬式の開始時刻が決められるのだそうだ。

妻と私は、他の出席者より遅れて斎場に到着したのだが、この斎場には驚かされた。かなり大きな敷地で、入り口から斎場に行くまで車で5分以上かかる。まるでゴルフコースか公園を思い出させるようなきれいな場所である。斎場自体もきれいな建物で、ロビーはホテルと区別がつかないようなものだ。
火葬が終わるのには2時間程度かかった。最初は1時間30分程度で終わる筈だったのだが、予定よりも延びてしまったようだ。どのようにして、焼き上がったのかどうか判定するのか疑問に思った。係員が遺体の状態を監視しているのかもしれない。
火葬が終わると、参列者全員で骨を拾う作業だ。拾う順番があるらしい(斎場が定めているが、喪主の好みで変更しても良い)。まず喪主や喪主に準ずる立場にある人が箸を使って一緒に骨を拾って壺に入れる。足、胴体、頭の順番で骨を拾っていくので、壺の中ではちょうど亡くなった方が座っているようになると説明されていた。壺は大小2種類ある。どちらかをお墓に入れるのだろうと思うがよく分からない。小さな壺には喪主と喪主に準ずる立場にある人のみが骨を入れるが、大きな壺には参列者全員で入れることになる。祖母の骨は丈夫だったようで、頭蓋骨がそのまま残っていた。係員は拾いやすいように割ろうとするのだがなかなかうまくいかず、手間取っていたようだ。喉仏も見せてもらった。仏が座っているように見えるとの説明を聞くが、よく分からない。
骨を拾う作業自体は30分もかからない。その後はいきなり初七日法要を行うために再び葬式会場に戻る。現在は参列者の都合を考えて葬式と同時に初七日を行ってしまうことが多いようだ。将来は四十九日までも同時にやってしまうような事態になるのかもしれない。

初七日法要の後は、参列者で会食。業者が食事を用意するが、参列者全員の食事を一部屋に収めることはできず、二部屋に分かれての食事になった。新年会に参加していたので、妻の親戚にはだいぶ会っている筈だが、それでも会ったことがない人も多かった。

葬式でバタバタしており、妻の実家では泊まることはできないので、大阪の私の実家で今夜は泊まることになる。疲れた一日だった。