20060929

  • 株式のティッカーが株価に影響を及ぼしているとの研究がいくつか登場している。ティッカーを変更しただけで株価が上昇したケースもある。最近ではハーレー・ダビッドソンがHUDからHOGに変更した後に株価が上昇している。発音できる、つまり単語として認識できるティッカーを有する企業はIPO初日のパフォーマンスがそうではない銘柄よりも優れているとの研究もある。心理学的にこの要因を分析するグループも登場している。ただこの事実は過去のデータを分析しただけのものであり、将来にも通用するかどうかは分からない。ただ経済モデルを構築するためには、心理的な要因も加味するべきとは考えられる。
    面白い研究だ。日本では株式には4桁の数字がコードとして割り当てられているので米国とはかなり状況が異なる。しかし数字の性質(奇数・偶数・素数など)により、株式のパフォーマンスが違ってくるということはあるのだろうか。すこし気になる。
  • 石油パイプライン会社であるKinder MorganのMBOの背景を見ると、財務アドバイザーの利益相反がますます大きくなっているようだ。中立なアドバイスを提供するはずの投資銀行が、買収そのものに関わっているためだ。当初同社はゴールドマン・サックスを起用し、株主価値の引き上げをもくろんだ。その後、経営陣主導による買収という話になり、ゴールドマン・サックスは自ら投資する側に回っている。投資銀行は最近、アドバイスを提供するだけではなく、自ら企業に投資するようになっているために、本当に中立なアドバイスを提供しているのか、自らの利益のみを考えてアドバイスしているのではないかという疑いも出ている。このような事情はメリルリンチが買収に関わった病院チェーンのHCAでも同様だ。またKinder Morganの場合は、MBOの計画を取締役会に報告するのもかなり時間が経ってからのことだった。しかもより高い価格で売却しようとする取締役会(すべての株主に対する責任を取締役会は負っている)の意に反するように、CEOは対抗する買収提案が登場したとしても交渉には応じない旨、ゴールドマン・サックスと同意していたという事情もある(この同意は後に破棄されている)。

  • ビデオの中にクリック可能な箇所を挿入して、ビデオ間のハイパーリンクを可能にする技術が登場している。テキストをリンクさせたハイパーテキストのビデオ版だ。
    これは面白いな。映画の中にハイパーリンクを設定して、気になる商品をクリックすると広告が表示されるという方法も実現可能だ。そうなると映画自体が金のかかった広告になりそうだ。

To Doリストに関連したこの記事が面白そうだ。文章は長いが。