20060927

  • ソフトバンクの株価は、Vodafoneの日本事業を買収すると発表してから急落している。急落の背景には、多額のブリッジローンを調達して買収するものの、このブリッジローンをどのように借り換えるのかという懸念があった。短期的な融資なので来週にも金利が上昇することになる。しかし先日、同社は借り換えに関して最終調整に入ったと発表し、株価も上昇している。ただ借り換えに成功しても、長期債務が増加するだけであり、問題の先送りになりかねない。同社はすでに多額の債務を抱えており、Yahoo! Japan以外にはキャッシュフローを生み出す事業が少ないのが難点だ。Vodafone買収は安定したキャッシュフローを得るという目的もあるものの、借り換えに際しては、携帯電話事業のキャッシュフローを他の事業に回すことに関しては制限が付くものと見られている。同社の先行きにはヘッジファンドも悲観的に見ており、多くのファンドが空売りを行っている。
    Heard on the streetというよりもHeard in Asiaのような内容だ。
  • 航空業界では、高い収益を得ることができる市場として国際線に注目が集まっている。グローバル化により世界中の企業とビジネスを行うようになり、ビジネスマンの海外出張も多くなると考えているためだ。エコノミークラスではなく高い料金を払ってくれるビジネスマンは魅力的な顧客である。そのため米国の航空会社は南米や欧州への直行便を増加させている。特に積極的なのがDeltaだ。同社は中規模の欧州の都市にも直行便を飛ばし、乗り継ぎの手間を嫌うビジネスマンを獲得している。欧州の航空会社も反撃に出ている。価格の安さよりも、機内設備を充実させることで対抗している。国際線に注力するという戦略にはリスクも大きい。海外での紛争やテロ事件が大きく業績に打撃を与えるためだ。

  • 鬱病などの治療では、今までは薬剤を利用したり、家族との関係を医師と話し合うといった方法が行われていた。しかし最近では、ポジティブ・サイコロジーという新しい治療方法が人気を集めつつある。この方法では、問題を引き起こしている原因に注目するのではなく、患者の強み・長所に焦点を当てて患者の自尊心を向上させることが主な目的だ。この方法に基づいた治療を行うための訓練プログラムも登場している。ただ精神分裂症などの重い病気の患者ではこの方法はうまく行かない。また治療を受ける必要がない人にもこの手の治療は有効と見られている。この場合は治療ではなく、コーチングと呼ばれる。