20060820

  • 小説を売り込む新しいマーケティング戦略としてサウンドトラックの提供という方法が広まってきた。映画やビデオゲームなどでは音楽とタイアップすることが広く利用されているがこれと同じようなことが書籍の世界でも広がりを見せている。若い世代はテレビを見てもらうのさえ苦労しているのに、小説を読ませるのはいっそう困難になりつつある。こんな状況の中で何とか読者の関心を引きつけようとしている。著者が作品の執筆中に聞いた音楽や読みながら聞くと迫力が増すと思われる音楽などが、CDに収録されて書籍と同封されたりサイン会などで配布されている。このような試みはまだ始まって日が浅いために、売り上げにどの程度のインパクトを与えるのかまだ不明だ。

  • 投資信託でよく耳にする批判の一つが、ベンチマークと同じような銘柄しか投資していないのに高い手数料を徴収しているというものだ。このような行為には Closet Indexingという名称まで与えられている。投資家にとってどの程度までベンチマークに近い運用を行っているのかはなかなか分析することはできなかった。しかしエール大学の研究者がactive shareという指標を開発し、このデータを使うことでどの程度ファンドがベンチマークに近いものになっているか簡単に分かるようになった。active shareはベンチマークに含まれていない銘柄にどの程度投資しているか、含まれている銘柄でもどの程度構成比率を変化させているかを測定したものだ。この数値が高いほどベンチマークから乖離した運用を行っていることになる。研究の結果分かったのは、この数値が高いほど運用報酬が高いということと、運用成績も高くなる傾向があるということだ。80年代ではactive shareの比率は高かったものの、90年代の投資信託市場の成長を受けて数値が低下しているという傾向がある。運用資産が増加するにつれて比率が低下しているのは、フィデリティのマゼランファンドが代表例だ。