20060817

  • 米国企業の債務が増加している。株式買い戻しやLBO、設備投資などの原資を調達しているためだ。債務による株式買い戻しは株式市場が現在堅調であることの背景にあるようだ。景気がそれほど減速することなく、金利もこれ以上上昇することはないというシナリオでは債務増加は充分対処できる水準と言える。直近の債務の増加率は高いものの、歴史的に見ると低い水準にある。そんな中、債務が少ない企業に目をつけている人たちがいる。プライベート・エクイティ・ファンド(買収ファンド)だ。債務が少ない企業は、買収後に債務を増やすことができるので買収対象としては魅力的である。またファンドも多額の資金を調達したものの投資が追いついていないという状況も背景にある。住宅建設業者やテクノロジー企業といった今まではあまり買収候補として考えられなかったセクターに注目する向きもある。

  • 蜂が空港にとってやっかいな問題になっている。アフリカからやってきた蜂の一種が米国に上陸して各地に広まっているが、この蜂たちはジェット燃料などを好むという習性がある。そのため停車している飛行機のエンジンの周りに蜂が何千匹もやってくるのだ。エンジンだけではなく荷物を扱う機械の周りにもやってくる。蜂のおかげでフライトスケジュールが混乱することもある。対策としてエンジンを吹かすのは良くないと専門家は指摘。蜂は蜂蜜を抱えているために、エンジンが蜂蜜まみれになるからだ。

  • 南アフリカのSasolは石炭から石油を精製する能力では世界屈指の実力を誇っている。もともとこの技術は石油不足に悩まされたナチスドイツが利用していたが、その後は石炭は豊富にあるものの、アパルトヘイトによる経済制裁原油輸入が難しかった南アフリカで利用されることになった。政府のてこ入れも功を奏している。ただプラントを開発するのに多額のコストがかかるために、原油価格が低いとあまり魅力はない。しかし最近の原油高により同社が注目を集めている。ヨハネスブルグに上場している株式は過去3年で3倍に上昇した。業績も好調である。中東への依存度の高さを何とかしたい米国や、原油需要の増大という問題を抱える中国が同社の技術に注目している。しかしこの技術の問題は原油をそのまま利用した場合と比較して、倍近い二酸化炭素を排出することだ。しかしエネルギーの自給自足という問題の前には、かすんで見えるようだ。

  • お金がたくさんあれば幸せになれるというわけでもない。確かに金持ちは貧乏人よりも幸せと応える比率が高いが、一日中一定間隔をあけて持続的に現在の心境を尋ねるという質問方法で調査したところ、金持ちが幸せであるということはなかった。逆に不安や怒りを感じていることが多かったという。この結果から幸せになるにはどうすればよいか導き出すことができる。まず仕事時間を減らすのが効果的。そして通勤時間も減らすことができれば幸せになれる。人間は厳しい状況にも慣れることができるが通勤は例外であるようだ。仕事時間を減らして生活水準が低下しても幸せの向上により埋め合わせることができる。消費の対象も考える必要あり。自動車のようなものを買うのではなく、旅行のように経験を楽しむことにお金をつかったほうが良い。レジャーとしてはテレビを見るという受動的なものよりも、仲間と交流するといった能動的な方が良い。
    能動的なレジャーとはフロー体験のことかな。本文では明確になっていないが、通勤とは自家用車での通勤を意味しているようだ。道路の混雑の状況により予測できないのでつらい状況でも慣れることができないのだという。電車通勤なら問題なさそうだ。