20060725

  • 60年代や70年代に流行した速読が再び脚光を集めている。前回のブームでは古典作品を読みこなすことが主な目的だったが、今回は情報の洪水にさらされているビジネスマンが主な顧客だ。金融業界を中心に従業員に速読クラスを提供しているところも多い。最近は新規に開業する速読教室もいくつかある。ExecuReadやSpeedLearningといった企業だ。現代にあわせてコンピュータスクリーン上の文章の速読の方法も伝授している。前回のブームでは速度にあまりにも重点を置いていたが、今回は速度よりも理解度の向上に重点が置かれている。短期的に能力が向上するといった安請負をすることはなく、長い訓練が必要だと主張している。速読の効果に関しては疑問を示す学者も多い。
    教室に通わなくてもつかえる速読のコツが掲載されていた。同時に複数の単語を見ること、指や鉛筆で読んでいる単語を追いかけること、自問自答しながら読むということだ。私もだいぶ前に速読教室に通っていたがあまり効果は実感できなかった。読む速度を早くするよりも理解度を上げるほうが大事だと思う。
  • スペインの闘牛に対しては非難の声が大きい。動物愛護団体などからの抗議行動が強くなっている。そんななか、闘牛文化を助けるのに一役買っているのがフランス人のマタドールだ。Sebastian Castellaというこのマタドールは闘牛スタイルで人気を集めており、スペインに加えて南フランスでも人気だ。もともと南フランスでは闘牛は盛んだったが、人気スターの不在で衰退していった。同氏の人気を受けて再び復活しつつある。フランスでの闘牛人気が高まることは、闘牛愛好家にも大きな支援材料となる。スペインだけの野蛮なスポーツというイメージを払拭することができるためだ。この勢いに乗って闘牛愛好家たちは署名活動を行ったり、議会では闘牛を支援する超党派の議員グループが結成されている。

  • キャリア・パスを会社が提示するのは、ホワイトカラーの社員に限定されているのが常だった。この構図が変わりつつある。コールセンターのオペレーターのような時給労働者に対してもキャリア・パスを提示するようになったのだ。目的は社員の定着率を高めるためだ。社員が目標を定め、会社がその目標を達成するために研修などを通じて手助けする。将来高い給与のポジションに就く展望が見えるために、社員も転職せずに同じ会社にとどまろうとするのだ。

  • ユーロ圏内での経済成長は2000年以来の高成長になりそうだ。この要因として好調な輸出と労働条件の緩和がある。特にドイツにおいて労働条件の柔軟性が増しており、企業にとってはドイツ国内に設備投資を行うのが魅力的になってきた。法律こそは変わっていないものの、法律の範囲内で組合と交渉し、より柔軟な労働条件を引き出すことに成功している。イタリアやフランスでも同様の展開が進んでいるが、ドイツほどではない。ドイツは労働条件の柔軟性が増したことにより、雇用が増加し失業率も低下している。雇用の拡大は内需を引き上げることになり、今後予想される輸出の鈍化を補うものになると期待されている。労働条件の緩和により、超過勤務でもコスト負担を抑えたり、固定ボーナスの代わりに業績連動のボーナスを支払うことが可能になった。

  • REITの中でも出遅れていたのが、住宅系のREIT(multifamily REITs)である。しかし最近のパフォーマンスは好調だ。雇用の拡大や賃料の上昇が好材料となっている。ただファンド・フロム・オペレーションで見た評価水準はREIT全体から比較するとかなり割高な水準となっている。最近は住宅系REITの非公開化が相次いでおり、かなりのプレミアムを上乗せして買収されているために、同様の案件が相次ぐとの期待感が強い。以上のように好調な住宅系REITだが、先行きを懸念するアナリストも多い。建売住宅業者が値引き攻勢を行っているほか、建設ラッシュで供給過剰懸念も出ている。コンドミニアムへの転換で大きな収益を上げている住宅系REITもあるだけに、コンドミニアム市場の冷え込みがマイナスに作用する可能性も指摘されている。また今後は雇用の拡大も鈍化するとの予想もある。