20060626

土曜日のWSJにおもしろい記事が出ている。野球選手の成績から幸運という要素を取り除いて本当の実力を測定しようとする試みだ。イチローは運がいいことが打率を実際の実力以上に引き上げていると指摘している。しかしよくこんなことを調査しようと考えたものだ。トレードやFAで選手を獲得する際に必要になったのかもしれないが。サッカーには野球のような個人成績が集計されないのがアメリカ人には好まれない原因の一つとなっているとどこかで読んだ。

  • ウェブサイトに出すオンライン広告は今までは低価格だったために、テレビのように広告が表示される時間帯を意識する広告主は少なかった。オンデマンドなメディアであるということもこのような認識につながっていた。しかし最近では競争の激化により広告料も上昇しており、オンライン広告の予算を効率的に投資したいと考える広告主も増えている。そのため広告を表示する時間帯を決めることでより効果的なキャンペーンを打つことをねらっている。マクドナルドやゼロックスが時間帯を定めた広告を出している。まだ比較的このようなケースは少ないが、今後増加するものと期待されている。グーグルのアドワーズではリクエストが多いことに応えて表示する時間帯や曜日も選べるようにシステムを変更している。

  • パーソナル・ファイナンスの本は独立戦争前より発行されていたほど歴史が古いジャンルであるが、最近ますます多くの本が出版されるようになっている。今年だけでもすでに400冊以上も出版されており、昨年の記録である600冊を上回る勢いだ。これだけ多くの本が出版されるとどれを読めばよいのか迷うのも当然であり、そのための手助けをするビジネスも生まれている。サマリーを提供する会社が登場している。ビジネス書のサマリーを提供している SoundviewとKiplinger Washington Editorsは合弁でパーソナル・ファイナンスに焦点を合わせたサマリーサービスを今年の夏から始める。また個人が執筆しているブログも本選びには参考になる。人気を集めているのが「Get Rich Slowly」というサイトだ。多くのパーソナル・ファイナンス本が出版されているが、お金持ちになる「新しい」方法と銘打っている本は少し用心した方が良いという。良い本はだいたい同じようなこと、つまり、早いうちから貯金する、リスク許容度を知る、運用対象を分散化するといったアドバイスが含まれているという。
    soundviewもやるのか。広告メールが届きそうである。いつも「パーソナル・ファイナンス」をなんて日本語にしたらよいのか悩む。
  • ペットにかけるお金は増加しており、GDP成長率を上回る勢いだ。特にペット支出の中でも成長率が高いのがペットに対する医療サービスである。全体の3分の1程度を占めるに至っている。ペットに対する医療サービスは不況の影響を受けにくい支出でもある。過去の不況を見ても影響は少なく、同時多発テロの後でも悪影響は見られなかった。この業界で投資家の注目を集めているのがVCA AntechとIdexx Labsである。両社とも今年になって株価は急上昇した。前者はペットの病院を運営しており、後者は検査サービスを行っている。人間の病院がねたむようなビジネスモデルを有しているのが特徴だ。保険に加入している場合でさえ最初にペットの飼い主は病院に治療費を払わなければならない。その後保険会社より保険金を回収する。そのため人間の病院ではよく見られるような医療費の不払いというリスクが非常に小さい。その上、政府の規制も弱く、医療過誤の保険にも入る必要がない。医療過誤が発生しても、ペットはあくまでも飼い主の財産と見られるために、損害賠償額も少ない。このような魅力的な条件がそろっているものの、株価はすでに高水準になっているとの指摘もある。
    以前住んでいたアパートの近くに、獣医があった。フェラーリベントレーといった高級車が止まっており、病院もガラス張りで非常におしゃれな感じだった。いかにも儲かってますよーっていうオーラが出ていた。すぐに税務署がやってきそうだ。父から聞いた話だが、父の同業者がベンツを購入したらしい。しかし申告している年収は数百万なのでさっそく税務署がやってきて、脱税が見つかってしまったそうだ。ベンツを買ってしまったばかりに脱税がばれ、税金をたくさん持って行かれ、結局ベンツも手放すことになる。この件で夫婦げんかが起こり離婚したらしい。その同業者は二度とベンツなんて乗らないと話していたそうだ。悲惨な話だが笑える。結局脱税した本人が悪いわけだから。この話から得られる教訓は「ベンツに乗りたければちゃんと所得を申告しろ」ということらしい。父によると。