最後の努力 ローマ人の物語 13

ローマ人の物語 (13) 最後の努力 (ローマ人の物語 13)

ローマ人の物語 (13) 最後の努力 (ローマ人の物語 13)

最新刊を買う前に、前の巻を読んでおこう。「25歳から30歳までのあいだに何も学ばなかったものは、その後にも何も学ばない」という一文にどきりとする。本当かどうかは分からないが、たまに出てくる塩野流の人間観察が魅力の一つでもある。好き嫌いが分かれる部分でもありそうだ。
安全保障と治安維持には多大なコストが欠かせなくなったのが、この本に描かれているローマの現状だ。一度悪い方向に向かうとひっくり返すのはなかなか難しい。
軍隊は自己完結的な組織であることを義務付けられているという指摘があった。そのため除隊した軍団を丸ごと都市にすることが可能だったという。戦争請負会社に依存した現在の軍隊はこの自己完結という点は大いに欠けていると思う。企業が垂直統合的だったのが、水平統合的になってきた点にも似ている。

追記:
ブックマークされているようなので正確な表現を抜き出してみた。
「ちなみに、皇帝アウレリアヌスが縦横無尽の活躍をしていた時期は、ディオクレティアヌスの25歳から30歳までの時期と一致していた。この年代を学ばないで過ごしてしまった人は、一生学ばないで終わる。」(21ページ)