ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

音読中。オーバーチュア(ゴートゥードットコム)の創業者であるビル・グロス氏の紹介にかなりのページ数を割いている。検索連動型の広告という分野を開拓した人だけに注目されて当然かもしれない。しかし同氏がすごいのはオーバーチュアだけではなく様々な事業で成功していることだ。アイデアラボという会社で新しい事業をどんどん生み出している。写真管理のソフトウェアであるpicasaも同氏の手によるもの。オーバーチュアでgoogleに痛い目にあわされているが、picasagoogleに売却している。
しかしgoogleが登場するまでは検索サービスだけではトラフィックを集めることができるデスティネーションサイト(本書にはこう書いてあるが、ポータルサイトと同じ意味だと思う)にはなりえないと考えられていたというのも現在を考えると面白い。このような認識があったために、オーバーチュアは自社のサイトを閉鎖して、Yahoo!やMSNに供給する立場に専念することになったわけである。自社でもサイトを運営していると、Yahoo!やMSNはトラフィックの競合を懸念して契約を更新しないと懸念されたためだ。その判断が、のちに同社を苦しめることになる。つまり売上の多くをYahoo!やMSNに依存するようになってしまい、自社の運命を自らコントロールすることができなくなったためだ。皮肉なことにgoogleは自らサイトを運営しているにも関わらず、AOLから検索サービスの供給契約を手に入れている。競合するという懸念はまったくの杞憂だったのだ。