20050926

以下の記事を読んだ。

  • マイクロソフトが現在行っているソフトウェア開発手法の変更。同社はGoogleAppleLinuxなどから矢継ぎ早に登場するソフトウェアに対抗できないでいる。これらのソフトウェアはレゴブロックのように自由に組み合わせることができるのに対して、同社のソフトウェアは様々なコードが入り組んでいるためだ。この問題は今までは大きなものではなかったが、ソフトウェアが巨大化するにつれて生産性や品質の面で大きな影響を及ぼすようになった。これは Lunghorn(Windows Vista)の開発遅延にもつながっていた。この状況に危機感を感じたのが経営陣の一人、Jim Allchin氏である。同氏はサーバーグループで利用している開発手法をLonghorn開発に導入するようにビル・ゲイツを初めとする経営トップに主張したのだ。この手法を導入するとそれまでに書いたコードを捨てざるを得ず、プログラマーの士気にも大きな影響があるため、当初はなかなかゴーサインがでなかった。しかしonghornの開発の遅れにより、ようやく承認されることになった。この手法で開発されたLonghornでは当初は最大の目玉である WinFSは省かれることになり、その後の月次における機能追加サービスで提供されることになった。月次で機能追加が行われることは同社にとって初めての試みであり、開発工程が俊敏になりつつあることを示している。Longhornのベータ版は今年の夏にリリースされたが、予想したほどのバグレポートは届いておらず出だしは順調という。新しい開発手法ではコードのテストは自動的に行われ、エラーを引き起こすコードは自動的にビルドから外される。またエラーの多いコードを書くエンジニアはbug jailに入れられ、新規のコードを書くことを禁じられることになる。

読み応えある記事。

  • オランダ政府と国境なき医師団(MSF)がスイスの裁判所で争っているが、この争いがあまり明らかにされていない誘拐産業の実態を明らかにしている。この訴訟は、国境なき医師団のスイス支部で働いていたオランダ人が派遣先のロシアで誘拐されたことに端を発している。長い交渉を経て、この人物は身代金と引き替えに解放されたのだが、この身代金がだれが負担すべきなのかと言う点が争点となっている。身代金はロシアにあるオランダ大使館が用意したが、オランダ政府は国境なき医師団に貸し付けたものと認識しているが、国境なき医師団は借りたという認識がないという。欧州では米国と異なり、身代金は支払わないというポリシーが必ずしも守られている訳ではない。しかし誘拐事件の多発を防ぐために、身代金を支払ったという事実は明らかにしないのが普通である。専門家によると世界的に誘拐事件は増加しており、イスラムマルクス主義を掲げているとはいえ、誘拐事件の多くは金で解決できるものだという。

  • 日本経済の成長が明らかになるにつれて、現在日銀が行っている量的緩和政策がいつ終了するのかという点に市場の関心が高まっている。日銀高官が市場の予測した時期よりも早期に緩和を終了すると受け止められた発言を行ってから、債券相場は急落している。量的緩和は段階的に終了するものと予想されており、その後金利が引き上げられるものと見られている。日本の国債残高は高水準であるために、量的緩和(日銀は国債も買い入れている)が終了すれば国債相場に与える影響も極めて大きいと見られている。現在は、量的緩和は来年中頃終了すると金利先物市場は示している。日銀はデフレが集結したことを確認してから量的緩和を終了するとしており、CPIの動向にも注目が集まっている。しかし量的緩和の終了に関して政府を説得するのはかなり難しい作業だと指摘するアナリストもいる。