20050925

以下の記事を読んだ。
南アフリカでは、冒険を求める観光客のための珍しいアトラクションを用意している。鮫がいる海域に、観光客を入れたかごを沈め、目の前で鮫がかごを襲ってくる様子を観察できるというものだ。鮫を集めるためにえさをまくということまで行う。米国では鮫にえさを与えることは禁止されている。人間をえさと同一視してしまうことを恐れているためだ。まさにこれが南アフリカで大きな問題になっている。最近は鮫に襲われる人が増えており、それも人間が食べられてしまうこともある。これは観光のためにえさをまいたため、鮫が人間を食べ物と同一視してしまった結果ではないかと見る向きもある。サーファーや漁師はこのような観光を禁止すべきとして抗議行動を起こしている。


・メディア関連株の投資信託を運用しているMario J. Gabelli氏が抱える問題。同氏は積極的に経営陣に注文をつける投資家として知られており、これまでも高い収益を上げてきた。スーパーマリオというニックネームもつけられている。同氏の運用会社であるGamcoは上場している。同氏は、創業当初に資金提供を受けた投資家より訴えられているのだ。同氏への高額な報酬が問題視されている。同氏が経営するGamcoには非上場の親会社があり、この親会社は非公開であるが故に実態は明らかにされていない。しかし今回の訴訟で、同氏はGamcoとその親会社両方から高額な報酬を受け取っていることが明らかになった。訴訟に打って出た投資家は、GamcoのIPOの際には自らの持ち分を売却することが行えなかった。というのも投資した運用会社の投資信託部門のみをGamcoとして上場することにしたためである。そのためこの投資家たちは非上場の親会社の少数株主にとどまることになってしまった。株式を売却しようにも取締役会の承認なしには行えず、売却したいという意向を示したときに示された選択肢は価格が低すぎて問題にならなかったという。


ヘッジファンドプライベート・エクイティファンドの領域に侵入しつつある。非上場株式など、従来はプライベート・エクイティファンドの分野だった資産に積極的に投資を行っている。このような資産は流動性が低いために、今までとは異なるリスクを投資家に与えることになる。まず収益率の変動が大きいものになることが予想される。換金するまでに時間がかかることから、このような資産に投資するヘッジファンドでは解約禁止期間(ロックアップ)が長期化する傾向がある。またロックアップ後も解約を行うことができる期間が限定されるようになってきた。一番大きな問題点は、保有資産の評価である。中には取得原価で評価するファンドもあるが、プライベート・エクイティファンドと異なり、ファンドへ常に資金流出入があるため適切な評価を行うことが重要となる。プライベート・エクイティファンドではClawbackと呼ばれる運用期間中に運用者が徴収した成功報酬の払い戻し(評価が間違っていた場合)を行うシステムが導入されているが、ヘッジファンドの場合にはそのような仕組みがない。評価により成功報酬として徴収できる金額が異なるために、公平な評価は大きな問題となる。反対にプライベート・エクイティファンドがヘッジファンドに進出するケースも増えている。


・今まで新規資金を受けれてこなかった著名なヘッジファンドが再び新規資金を獲得しようとしている。ファンドの規模が大きくなると運用が難しくなるという問題もあるが、資産の増加により成功報酬ではなく安定した運用報酬が見込めるのが運用者にとっては魅力的である。新規に資金を受け入れたファンドとして SACやRenaissance Technologiesなどがある。成功報酬よりも運用報酬を獲得するために資産規模を拡大させるのは、運用者は今後の運用成績に関してそれほど高い水準を予想していないことでもある。すでにヘッジファンド全体の運用成績はあまり冴えないものとなっている。新規に資金を受け入れるファンドでは、既存のファンドとは異なる投資戦略を利用するところもあり、運用効率の悪化を防ごうとしている。

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Renaissance Technologies http://d.hatena.ne.jp/ichiyu/20050701/p1
SAC Capitals http://d.hatena.ne.jp/ichiyu/20030721/p1