20050630

以下の記事を読んだ。
・銀行業界が整理統合される中、地域に根ざした小規模の銀行も増加している。顧客との距離が離れつつある大銀行と異なり、これらの小規模の銀行は地域に密着したビジネスで成長している。ヒスパニックや黒人、イスラム教徒などのマイノリティをターゲットにするところも多い。これらの銀行の経営者は大銀行で働いていたという経歴を持つ人も多い。


ソニーのCEOとなったストリンガー氏には大きな難問が立ちふさがっている。ソニーは昔より部門間の競争が激しい。お互いに競争することで似たような商品が別部門より販売されている。確かにこの部門間の競争がウォークマンプレイステーションといったヒット商品を生み出すことにつながったが、会社全体の資源を有効活用するという点では問題となっている。その問題を露呈したのが、オンラインミュージックサイトのConnectである。部門間の利害が対立するなか、使いにくいサービスとなってしまい、iTunes Music Storeに大きく差をつけられてしまった。現在、年内に予定されているConnectのリニューアルが進められている。このリニューアルではソニーのハードウェアとソフトウェアが統合されたものとなる予定で、部門間をいかに連携させるかというソニーの問題をどのように解決するかという点で試金石と見られている。


粉飾決算などの容疑で起訴されていた、HealthSouthの前CEOであるScrushy氏がすべての容疑で無罪との判決を受けた。検察にとっては大きな打撃となった。検察が司法取引で連れてきた同社の経営陣の証言では陪審を納得させることができなかった。今回の敗訴で検察は今後、企業不祥事の追求を鈍化させるのではないかとの見方も出ている。またCEOの本拠地で裁判を行ったことも検察の判断ミスとみられる。CEOは敬虔なクリスチャンであることをアピールすることで陪審員の心証をよくすることにも成功している。ただ今回の判決で無罪となったものの、SECからの民事訴訟という問題は残っている。また HealthSouthでは同氏の復帰は考えておらず、同氏は自分を解雇したことに対して賠償を求める考えのようだ。


・バイオベンチャーであるCeleraでヒトのDNAの解析を主導した、Venter氏は、現在DNA解析を一歩先に推し進めて一つの遺伝子を完全にゼロから生み出すという作業を進めている。対象となるのは単純な構造のバクテリアである。バクテリアの殻の部分は既存のバクテリアのものを利用するが、遺伝子はフルスクラッチで作り出したものを埋め込む。埋め込んだだけではあたかもPCにOSをインストールしたようなものであり、どのように起動させるかという問題は残っている。同氏が行っているようなDNAの作成という研究は世界中で活発に行われており、多くの研究所で類似の研究が進められている。同氏の研究はエネルギー省からの援助と個人投資家からの資金援助で行われている。DNAを完全に人間の手で生み出すことができると、様々な用途に応用できるほか、DNAの構造の理解にも大きく役に立つ。



HealthSouthの前CEOであるScrushy氏の裁判の記事では陪審員のインタビューも載っていた。自ら下した判断に対して説明することも求められるわけだ。厳しい義務だ。実名を公開されて説明まで求められるのだから。