20050629

以下の記事を読んだ。
日中関係は数十年間でもっとも緊張が高まっている。小泉首相による靖国神社参拝の問題や、中国を脅威に感じる日本人が増加していることが背景にある。また日本の外交政策を今までの受け身のものから積極的なものに移行しようとする新しい世代の政治家が登場しつつことも背景にある。この新しい政治家の一人が武見敬三氏である。同氏はハーバードで教鞭を取っていたという経歴もある。同氏をはじめ新しい世代の政治家は、旧世代の政治家と比較して日本の国益を強く打ち出すという特徴がある。彼らの多くは米国の大学で教育を受けており、米国流の政治スタイルに染まっている。日本では長い間外交政策は政治家ではなく外務省が仕切っていた。特に中国政策では外務省内部の親中派と呼ばれる一団が中国との関係をできるだけスムーズになるように苦心してきた。しかし旧世代の政治家が引退したり、失脚する中、外務省の影響力も小さくなりつつある。この点を象徴しているのが中国への経済援助の段階的廃止である。これは外務省の抵抗にもかかわらず、自民党主導で成立したという経緯がある。日中間で経済権益が争われている東シナ海で中国が海洋油田の開発に乗り出した際には、日本も迅速な対応を取った。中国に対抗するような開発計画を推し進めたのだ。これも外務省主導の外交政策では実現できなかったタイプのものだ。


中国経済の台頭と、対中貿易赤字の増加により米国議会では人民元の切り上げに対する圧力が高まっている。議会では切り上げに応じないと関税を大幅に引き上げるという法案が審議されている。しかしエコノミストやアナリストは人民元を切り上げても米国経済は恩恵を受けるどころか、悪影響を受け世界経済に混乱を引き起こす可能性があると警告している。人民元が不当に低い現在の状況は、中国は安い価格で自国製品を販売し、高い価格で外国製品を購入しているのに等しいという。また中国が輸入で稼いだ外貨は米国債に投資されるために、巨額の米国の財政赤字の補填にも寄与しているのだ。人民元が多少引き上げられても貿易赤字には大した影響はなく、逆に影響を与えるほどの切り上げの場合は、インフレを引き起こし、中国経済の停滞を引き起こし、米国市場への資金の環流が妨げられるといった副作用があると指摘している。また米国企業が中国を生産拠点として利用している現在では、米国企業の業績にも悪影響を与える。


・連邦最高裁判所長官がもうすぐ退任する可能性が強い。最高裁判所の判事の任期は終身制となっているが、長官はガンの闘病生活を送っており退任する可能性は高いとみられている。最高裁判所の判事の選定は大きな政治問題となる。保守派・リベラル派双方ともに自分たちの意見を代弁してくれる人物を最高裁に送り込もうとして政治家に圧力をかけるためだ。今まで企業は最高裁判事の任命に関するロビー活動はあまり行ってこなかった。しかし最近はビジネス上の問題が最高裁判所で審議されることも多くなり、企業も今までの態度を改めて積極的に関与するようになりつつある。共和党支持母体として企業と保守キリスト教徒が双璧をなしているが、保守キリスト教徒は積極的に判事任命に関わってきた。企業と保守キリスト教徒は必ずしも判事任命において、利害が一致する訳ではない。企業は州政府の暴走を抑えて連邦政府の関与を求める姿勢をとっているが、保守キリスト教徒は逆に州政府の権限を強化することを目指しているためだ。



中国関係の記事が多い。米国司法制度に関する記事としてBusiness Weekの記事が参考になりそうだ。昨年の記事だがメモを載せる。