20050401

多発性硬化症(multiple sclerosis、MSと略する場合も多い)の患者である、あるビジネスマンの話。このビジネスマンはMSであることを上司に話していなかった。話すことでキャリアに傷がつくことや、周りから哀れみの目で見られることを避けたためだ。しかしMSという病気はいきなり発作により、言葉をしゃべることができなくなったり、手足が動かなくなったりするという症状があり、勤務中にこのような発作が発生しないか常に気にしていた。検査のために病院にいくのもできる限り職場の人に気づかれないようにしていた。しかし隠すことに疲れて、上司に病気のことを話すことになった。告白にいたるまでの葛藤・経緯を紹介している。


モルガン・スタンレーにおける元社員の株主と経営陣の対立は激しさを増している。企業内の権力闘争は珍しくないが、今回の出来事が異例なのは、元社員達が積極的にメディアを利用しているため、内紛が公になっていることである。元社員達はCNBCに出演したり、WSJに全面広告を出したりしている。元社員達は、現CEOのであるPurcell氏が同社の企業文化を破壊していると批判している。同社は証券会社のDean Witterと投資銀行Morgan Stanleyが合併してできた企業だが、現在のCEOはDean Witter出身であり、投資銀行部門の社員をなおざりにしているとの批判が出ている。加えて、Dean Witterは他の証券会社と比較して営業マン一人当たりの収益が低いなど、業績が劣っており、全体の足を引っ張っているとの指摘もある。同社が近年、当局から様々な違反事項の指摘を受けたのも、Dean Witter側の問題であるとの見方もある。


・昨日に引き続き、モルガン・スタンレーの内紛。元社員達の株主達から退任を要求されている、CEOのPurcell氏は、新しく任命した二人の社長と一緒に、反撃に乗り出している。ボストンに飛び機関投資家に対して実績などをアピールしている。また幹部社員に対して、現経営陣を支持する手紙を書くように工作している。幹部社員は、在籍する代わりに高額のボーナスを要求するのではないかとの見方も出ている。人材斡旋会社には既に同社の社員から多くの問い合わせが来ているという。競合する金融機関が同社の社員を獲得しようと動いているようだ。


ライブドアによるニッポン放送買収が成功したことを受けて、M&Aが株式市場のテーマとして再び注目されるようになっている。多くの企業が純資産を下回る株価で取引されているためだ。証券会社の中には、割安に放置されているため買収候補となる企業のリストを作成しているところもある。日興アセットは手元流動性が高い企業(すなわち買収候補)に投資する投資信託を設定する予定である。買収の危機を感じると、企業は手持ちの現金を有効に活用するか、株主に配当・買戻しという形式で返却するかという方法で買収されるのを避けようとする。このような行為はいずれにおいても株主を潤すことになるのだ。今までは株式持ち合いの構図があったために、企業は株式投資で得られる収益よりも取引関係で得られる利益を重視していた。しかし景気低迷の中、このような構図も変わり、市場で多くの株式を買い集めることが可能になっている。


モルガン・スタンレーAIGの記事が非常に多い。上記には書いていないが、AIGの記事によると、米国の金融機関で刑事訴追されて生き残ったケースがないという。関係のない従業員の多くが職を失ってしまうため、検察も法人として起訴するのはためらうようになっているという。そのためAIGが訴追される可能性は低いと指摘していた。
一番最初のMSの記事も面白い。このようなノンフィクションのような記事が一面に掲載されているということ自体も興味深い。